幻影に舞う白銀

Web novel GENEI NI MAU HAKUGIN

序章/004 ※ダイジェスト版

メーガン率いる悪魔部隊がその場を去り、ヴァネッサが残った正義部隊のメンバーに作戦を告げる。

「……方法はひとつ。ダエモニアを倒した後、私とシルヴィアとでこちら側から機体をバラバラに切り刻む。細切れにした機体の破片を残る全員で手分けして迎撃して、少しでも地上への被害を減らすんだ」
「……乗客たちは、どうしますの?」
「100人の命で、下手したら数千人規模の命が奪われるかもしれない大惨事を防げるのなら……」

各々所定の位置につき、作戦が遂行される・・・はずだった。

「……それでは、私の〝正義〟に反する!デュランダルッ!!」

高らかにその名を呼び、烈風吹きすさぶ高空に思念の騎士を顕現させる。

「受け止めろ! デュランダル!」
「よせ、シルヴィア! いくら何でも無茶が過ぎるよ!」
「無茶は百も承知! それでも救える可能性があるならば、私はそれに賭ける!」
「……なんて子だよ、まったく」

 
恐らく今日からしばらくの間、これから起きるであろう出来事について世界中のありとあらゆるメディアが報じ続けるだろう。
『旅客機、謎の空中爆発。機体はあわや市街地に墜落するかと思われるも、海に不時着。乗客に死亡者はなし。まさに奇跡!』と。

だが、事故の原因と真相が決して明らかになることはない。
ダエモニアに取り憑かれて死んだ人間については、まるで最初から現世に存在していなかったかのごとく関わりのあるすべての人々の記憶からきれいさっぱり消えてしまうからだ。
そして、そのダエモニアと戦うべく生と死の狭間にある異次元に身を投じた者がいることなど、現世に生きるほとんどの人間には知る由もない。

それでも、彼女たちはそこにいる。確かにいる。
彼女たちだけが、人々の記憶から消え去ってしまう悲しき魂の存在を覚えている。
新たな命の業をその細い双肩に刻みつつ、戦い続ける。

今日も、明日も。この、生と死の境界線上にたゆたう世界――アストラルクスと呼ばれる世界の中で。

 

★本編は『GENEI SERIES SPECIAL BOX vol.I』ノベライズをご覧ください。




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